海外のSTEM教育の取り組みについて①

日本のSTEM教育は海外のSTEM教育と比べて大きく後れをとっており、2010年代後半になってようやく注力し始めたのが現状です。
ここではSTEM教育に力を入れている海外の国の中でも特に知ってほしい4か国の事例を紹介したいと思います。

1.アメリカの取り組み事例

STEM教育の発祥の地でもあるアメリカ。そんなアメリカは国家戦略としてSTEM教育に取り組んでおり、10年前の実績ですがアメリカ連邦政府機関のSTEM教育関連の予算は、2014年の時点で3.1億ドルを計上しています。2012年の執行額と比べると6.1%も上昇するなど、国家としても力を入れている分野であることが分かります。特にオバマ大統領の就任後から取り組みが本格化し、人材育成に国家主導で取り組んでいます。
2018年に発表された、今後5年間のSTEM教育戦略計画「成功のための進路の提示~米国のSTEM教育戦略~」の中で、STEM教育やSTREAM教育の重要性が強く明記されており、内容としては女性の社会進出やSTEM教育への参加状況を明確化したり、職業訓練や研修生への教育にSTEM教育を取り入れたりするなど、幅広い視野を持って取り組んでいます。

2.シンガポールの事例 シンガポールもSTEM教育に力を入れている国の一つで、2015年の国家予算のおよそ18%が教育関連にあてられています。
シンガポール・サイエンスセンターと呼ばれる1,000種類以上の体験が事業所を有する国立博物館で、観光名所としても人気があります。
2014年にはシンガポール国内全ての中学校の生徒にたいしてSTEMプログラムを提供するために、ステムインク(STEM Inc)を立ち上げました。
ここでは体験学習をベースにしてロボット工学や環境科学などの授業を行っているほか、身近なものを例に出して、それらに対して仮説を立てながら検証を繰り返す授業も、ステムインク教育の特徴といえるでしょう。

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